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北海道大学大学院文学研究院
応用倫理・応用哲学研究教育センター

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センター長挨拶

北海道大学大学院文学研究院 応用倫理・応用哲学研究教育センター長
藏田 伸雄(人文学専攻・哲学宗教学講座・哲学倫理学研究室・教授)

 本センターは2007年に日本で最初の応用倫理・応用哲学関連の研究・教育センターとして設置され、その後17年にわたり応用倫理・応用哲学に関する研究と教育を進めてきました。本センターは当初「応用倫理研究教育センター」として開設されて、応用倫理及びジェンダー・セクシュアリティ学の研究と教育を行ってきましたが、2018年に「応用倫理・応用哲学研究教育センター」と改称し、応用哲学と死生学を研究領域に加えました。  

 本センターのミッションは、応用倫理、応用哲学、ジェンダー・セクシュアリティ、さらに死生学に関する研究・教育を推進することにあります。本センターでは、生命倫理を始めとして、環境倫理、科学技術倫理、企業倫理、さらには動物倫理、研究倫理、報道倫理等の応用倫理に関するセミナーや研究会を開催してきました。また「応用倫理国際会議」を10年にわたり開催し、応用倫理や規範倫理学・メタ倫理学、ジェンダー・セクシュアリティ学の分野で活躍する海外の著名な研究者を招いて講演やセミナーを開催してきました。その後も「人生の意味」に関する国際会議等を開催し、コロナ感染拡大の時期の中断をはさみましたが、現在も海外の研究者によるセミナーを開催しています。そのような活動を通じて、本センターは応用倫理に関する研究の拠点の一つとして世界的にも知られつつあります。  

 また本センターでは「応用倫理教育プログラム」を実施することにより、応用倫理・応用哲学の分野で活躍できる人材を育成してきました。現在も本センターをプラットフォームとして若手研究者の育成を進めています。  

 さらに本センターの特色の一つは開設以来、ジェンダー・セクシュアリティに関する教育や、関連するシンポジウムの開催を積極的に行ってきたことです。本センターの発足以来、全学教育の1年生や大学院生を対象としたジェンダー・セクシュアリティに関連する授業を提供してきました。またこの領域では実際に困難に直面している方々をエンパワーすることを意図したイベントを開催してきました。  

 応用哲学に関しては、哲学と他の諸科学・学問分野との協働を意図して、シンポジウムやセミナー、国際会議を開催してきました。情報科学分野と関連する論理学関連の国際会議の開催の後援を行ってきました。また本センターでは応用倫理・応用哲学の基礎となる規範倫理学、メタ倫理学、意識の哲学等についての研究も行ってきました。さらに本センターでは「死生学」も研究の対象としており、グリーフケアや緩和ケアについても扱うことで、宗教が果たしてきた役割にかわる死生観や関連する実践についての研究も進めています。  

 そして本センターでは『応用倫理』とJournal of Applied Ethics and Philsophy(JAEP)という二種の応用倫理・応用哲学に関する専門誌を発行しています。JAEPには世界的に著名な研究者にも投稿していただき、高いレベルを維持しています。『応用倫理』は応用倫理とその関連分野についての日本では数少ない専門的なジャーナルの一つとして、多くの研究者が寄稿しており、厳正な査読を経た論文が掲載されています。また毎年開催してきたジェンダー・セクシュアリティに関するシンポジウムについては記録集を作成し、それらはウェブ上で公開されて、多くの方に読まれています。  

 近年では脳科学や情報科学に関する先端的な研究を行う人間知×脳×AI研究教育センター(CHAIN)との協力関係のもと、脳神経倫理やAI倫理・ロボット倫理の研究にも積極的に取り組んでいます。  

 本センターが開設以来、このような活動を続けることができたのも、関係各位のご協力とご理解の賜物です。関係各位には深く感謝いたします。 今後もこのような研究と実践の蓄積をもとに、応用倫理・応用哲学に関する新たな展開を図っていきたいと思います。

本センターのこれまでとこれから

本センターは、2007年4月に「応用倫理研究教育センター」として設立されました。文学研究科思想文化学専攻の「応用倫理研究教育プログラム」が文部科学省「魅力ある大学院教育イニシアティブ」(平成18~19年度)に採択されたのを期に、応用倫理に関する研究教育を継続的に実施することを目指したものです。「応用倫理」を冠した常設の組織としては、わが国の国立大学法人で初めてのセンターです。

 その後、2008年度より、北海道大学におけるジェンダー・セクシュアリティに関わる研究教育のプラットフォームとしても機能しうるように、活動範囲を拡張しました。

 そしてこのたび、2018年4月より、「応用倫理・応用哲学研究教育センター」と改称し、新たに「応用哲学」と「死生学」を研究領域に加えることになりました。

 これまで当センターは、英文学術誌 Journal of Applied Ethics and Philosophy と和文学術誌『応用倫理』の刊行、国際会議の開催、ジェンダー・セクシュアリティ関連シンポジウムの開催などを継続的に行ってきました。今後は、これらの活動を継続するとともに、「応用哲学」と「死生学」分野においても、各種シンポジウム・研究会の主催・共催などを行っていきます。英文学術誌では、これら新分野に関する投稿も受け付けていますので、ぜひ積極的にご応募頂ければ幸いです。

 今後とも当センターの活動へのご支援を賜ることができれば幸いです。